「ひきこもり」「脱出」
この手のキーワードでGoogle検索すると、不安をあおり、ムリヤリ就職をうながす企業サイトばかり表示されます。
でも、今まさにひきこもりである皆さんからすれば、
また傷つくんじゃないかと思うと、他人と関わるのが怖い
なんとかしたいと思っているけど、カラダが動かないんだ
と、お悩みではないでしょうか?
この記事では、ひきこもりの当事者だった筆者が脱出したきっかけ、社会復帰のステップについてお伝えします。
- 【きっかけは自分自身?】ひきこもりから脱出する唯一の方法は?
- 【体験談】ひきこもりから脱出する唯一の方法は?立ち直ったきっかけは?
- 【体験談】他人からの視線が怖かった!でも、誰も僕を見ていなかった
- “型にハメる”のは間違い?ひきこもりの原因も特徴も、人によって全然違う!
- 【体験談】ひきこもりから脱出する唯一の方法は?社会復帰のステップとは?
- まとめ
【きっかけは自分自身?】ひきこもりから脱出する唯一の方法は?
結論からいうと、“ひきこもりから脱出する唯一の方法”は、
「もうそろそろ、外に出てもいいかな?」
という内なる声に、耳を傾けること。心の声に素直に従うことです。
人間には、誰しもバイオリズムがあります。皆さんもひきこもる前は、なんとなくカラダの調子がいい時、悪い時があったはずです。
バイオリズムの変化は、ひきこもりでも同じ。
たとえ、ゲームをするだけの毎日、YouTubeを見るだけの毎日であったとしても、やはり心のバイオリズムはあります。
“なんとなく調子のいい時”を逃さず、思い切って外に出てみるのです。
【体験談】ひきこもりから脱出する唯一の方法は?立ち直ったきっかけは?
筆者がひきこもった原因は、「就職活動の失敗」でした。大学の友だちが大手企業に就職を決めてゆくなか、私だけいつまで経っても決まらず。ようやく採用された会社は望む仕事とは程遠く、“敗北感”を抱えたまま社会人生活をスタートさせたのです。
そんな状態では仕事が身に入らず、わずか数カ月で退職してしまいます。以来、3年もの間、ひきこもっていました。
>> 【体験談】大人のひきこもりはなぜ,テレビばかり見て,ゲームに依存するのか?
ニート時代の私は、近所のコンビニに行くとか、ちょっと離れた公園まで散歩することも不可能でした。外出といえば、向かいにある空き地で、弟とサッカーボールを蹴ることぐらい。“ガチガチのひきこもり”だったのです。
そんな、ある日のこと。
テレビでアカデミー賞の特集が放送されており、どうしても話題の映画を見に行きたくなりました。家族以外の人間とは、顔も合わせていない3年間。遠出するだけで、ストレスでした。
でも、このときばかりは
「あ。外に出てもいいかも」
という気持ちが芽生えていました。たまたま、心のバイオリズムが“上向きの状態”だったのです。
【体験談】他人からの視線が怖かった!でも、誰も僕を見ていなかった
引きこもりが長期化すると、他人と関わることに“過度な恐怖”を感じることがあります。3年ひきこもった私も、映画館という「公共の場」に出てゆくことに、不安を抱えていました。
しかし、開場前の待合室では、スマホをいじったり恋人同士でおしゃべりしたり・・・当たり前っちゃ当たり前ですが、誰も私なんかに関心を寄せていません。
「なんだ。こんなものか」
と、安堵したものです。
ただし、中には、「対人恐怖症」「視線恐怖症」といった精神疾患を抱えているかたも、いらっしゃるかもしれません。
その場合は、知識を蓄えること、カウンセリングで相談してみることなどが、快復の一助となります。無理な外出をおすすめしている訳ではありません。
また、ひきこもりの子供をもつ、ご両親のかたもいらっしゃるでしょう。厚生労働省が管轄する支援機関や相談窓口がありますので、利用してみてください。
>> 全国の相談窓口はこちら|ひきこもりVOICE STATION
“お子さんが機嫌のいい時”に、ダメ元で外出に誘ってみるのも一つの方法かもしれません。
いずれにしろ、動かないことには何も変わりません。
「これで変わったら、ラッキー!」
ぐらいの感覚で、何でもいいからアクションを起こしてみることが大切です。
“型にハメる”のは間違い?ひきこもりの原因も特徴も、人によって全然違う!
- 小学校の頃のいじめ。
- 大学受験や資格の試験に落ちた。
- 就職活動で失敗。
- 失恋や、大切な人を失った。
- 社会不安障害。
ひきこもりになる原因は、さまざまです。
また、最初に外に出るきっかけも、人によって違います。
- 生活費が底を尽きた。
- 家族が外出に誘ってくれた。
- 年齢による焦り。
- 家ごと引っ越すことになった。
ひきこもった原因も期間も人それぞれですので、“型にハメる考え方”は良くありません。
ただし、当事者だったひとりとして、社会復帰に必要なプロセスも感じています。それは、「小さな成功体験を積み重ねてゆく」ことです。
【体験談】ひきこもりから脱出する唯一の方法は?社会復帰のステップとは?
ひきこもりが長引くと、自己肯定感が低くなります。
私にできる仕事なんて、あるのかな?
僕なんかが、まともに社会生活を送っていけるか不安だよ
と、自分に自信を持てなくなるのです。
そこで、小さなことに喜びを感じ、成功体験を積み上げてゆくことをおすすめします。
・部屋のゴミを捨てたら、なんか気分がいいな。
・コンビニで店員さんと会話できた!
・家族と同じ時間に起きて、朝食を食べられた!
・自分ひとりで電車に乗れた!
ご家族のかたが聞いたら、
えっ? そんな些細なことが嬉しいの?
と感じるかもしれません。
ひきこもりが長いと、一般の人にとっての日常も“非日常”になります。
「電車に乗る」「会社の人に挨拶する」「友だちに電話をかける」といった誰でもできる行動からも、遠ざかっているからです。マンネリした生活のため、喜怒哀楽も感じにくくなっています。
このため、やってこなかった行動ひとつひとつを肯定し、“喜び”を体感することが必要です。小さな達成感を積み重ね、人間的な感情と向き合うことで、自信を取り戻してゆけます。
やがて、「アルバイトしてみよう」「仕事を探してみよう」といったモチベーションも生まれてくるのです。
>>【体験者が語る】ニート明けのアルバイトおすすめ9選【選び方も解説】
まとめ
ひきこもりから脱し、冷凍庫内で日払いのアルバイトをしていた時のこと。職場には、やむにやまれぬ原因で“ドロップ・アウトした人たち”がいました。
- 勤めていた会社が、突然倒産した人。
- スマホゲームに課金しすぎ、200万の借金を負った人。
- 自動車事故を起こし、運送会社を辞めざるを得なかった人。
このとき、私は思い知ったのです。
エスカレーター式に就職して、とんとん拍子で社会生活を送っている人ばかりじゃない。社会のレールから足を踏み外す人なんて、いくらでもいる。ひきこもりなんて、経歴のひとつに過ぎない、と。
自信をなくしているなら、階段を登るように取り戻していけばいい。いつもと違う行動をすると、いつもと違う視野が拓けてきます。