ひきこもりから社会復帰しやすい仕事について調べると、Webサイトでは以下のような職種が紹介されています。
・プログラマー(高収入だが、ノルマがキツい場合がある)
・Webライター(AIに仕事を奪われ、今後は厳しくなる)
・介護職(ニーズが高いが、コミュニケーション能力が求められる)
仕事である以上、どれも一長一短あります。みなさんが興味が持てる仕事があるのなら、それを選ぶのがいちばんです。
ただ、“もうひとつの選択肢”としておすすめなのが、「ドライバー」です。
【ひきこもりからの社会復帰】いちばん大事なのは、続けられる仕事を選ぶこと
私自身、ひきこもりから社会復帰するにあたり、社会に慣れるためにいろんなバイトをしました。フリーター時代だけでも、15を越えるアルバイトを経験したのです。
>> 【体験者が語る】ニート明けのアルバイトおすすめ9選 - セカンド就職
すごいな。そんなエネルギッシュなこと、僕にはできない
全然すごくないです。
月60,000円の借金を負い、ダブルワークせざるを得なかっただけです。
15ものアルバイトを体験してきて、元ニートが仕事を選ぶポイントは3つ。
- 誰でもできる仕事を選ぶ
- 正社員・契約社員の「肩書き」を得やすい
- 適度に人の入れ替わりがある
いちばん気を付けたいのは、
もう嫌だわ。こんなつらい思いをするなら、またニートに戻ろう
と、思ってしまうこと。これだけは避けなくてはなりません。
ノルマがキツくて責任が重い仕事は、心理的ストレスになります。
少人数でいつも決まったメンバーでの仕事だと、そこの人間関係がうまく築けないと、地獄です。ストレス耐性の弱いニートは、ちょっとした嫌なことも過敏に受け取ってしまいます。
再び「ニートの道」に逃げ帰らないためにも、“居心地のよい職場”を選ぶことが大事です。働きやすい仕事をやる中で、他人とのコミュニケーションにストレス耐性ができたら、そのときステップアップを図ればいいのです。
社会復帰の第一歩とするなら、収入や社会的地位よりも、人並みの社会生活を送るための基盤づくりができる仕事を選んだほうがいいです。
では、どうしてドライバーをおすすめするのか?
【ドライバー】3つの種類と仕事内容
ひとくちにドライバーといっても、いろいろな仕事があります。
- 宅配ドライバー
- 長距離ドライバー
- ルート配送ドライバー
◆ 宅配ドライバー ◆
企業や個人宅など、さまざまな場所に荷物を配送します。取り扱う荷物は封書から飲料水、マンガから建築資材など多岐にわたります。
配送ルートが決まっていないので、配送エリアの地理にくわしいと有利。また、お客さんもさまざまなのでコミュニケーション能力が求められます。
◆ 長距離ドライバー ◆
東京 ⇆ 大阪間、名古屋 ⇆ 千葉間というように、片道300キロ以上もしくは往復450キロ以上の目的地に配送するドライバーを、長距離ドライバーと呼びます。
運転時間が長く、拘束時間も長くなる傾向があります。
◆ ルート配送ドライバー ◆
配送センター ⇆ 営業所、倉庫 ⇆ 地域内のコンビニというように、エリアの中で決められた場所に決められたルートで配送するドライバーです。
コンビニの前にトラックを停め、荷物の入ったカゴを店内に運んでいる人たちです
ルート配送ドライバーをすすめる3つの理由【2024-2025年は狙い目】
- やることが決まっているため、黙々と業務ができる
- 仕事中、ひとりになれる時間が長い
- 2024年問題でドライバーが不足している
やることが決まっているため、黙々と業務ができる
個々のお客さまの家をたずねる宅配ドライバーは、配送エリアの中で効率的なルートを決めなくてはなりません。荷物が少ないときはいいですが、繁忙期は指定時間に遅れるとクレームを受けることもあります。
長距離ドライバーは、効率的なルート探しが求められます。道路工事や雪や地震で足止めをくらったら、迂回経路も見つけなくてはなりません。
これに対して、ルート配送ドライバーは、届け先も届ける順番も指示されます。業務を黙々とこなせるため、過度なストレスにさらされなくて済むのです。
仕事中、ひとりになれる時間が長い
ルート配送ドライバーは、仕事時間の7割ちかくはトラックで移動しています。
ひとりでいる時間が長いので、コミュニケーション下手な元ニートでもストレスを感じにくいのです。
また、長距離ドライバーは車の渋滞や繁忙期などで、残業が増えます。トラックの出発時間が決められているルート配送ドライバーは、そこまで残業がありません。拘束時間が長すぎないので、“自分の時間”が持てます。
2024年問題で、ドライバーが不足している
もともと物流業界は、トラックドライバーの残業のおかげで成り立っていました。
勤務時間の上限を越え、時間外労働をやってくれるトラックドライバー。会社にとっては使い勝手のいい人材です。ドライバー側も残業代がもらえるので、高いお給料を求めてこの仕事をする人がたくさんいました。
会社とドライバー、双方にとって「WinWinの関係」だったのです。
ところが、「働き方改革」のため、時間外労働に規制がかかるようになりました。時間外労働が月間で45時間、年間で960時間以内に制限されたのです。
このため、稼ぎたいドライバーがどんどん辞めています。
もともと、トラックドライバーは年齢構成がいびつで、40代・50代が全体の40%以上を占め、20~30代が極端に少ないことが問題でした。
【参照】運送業のドライバー不足の原因とは?2024年問題と対策を解説 | EC通販・物流代行【スクロール360】
圧倒的な人材不足だから、とりあえず正社員や契約社員の肩書が欲しい元ひきこもりにとっては、絶好のチャンスなんです
【体験談】仕事で「人生逆転」を考えなくてもいいんじゃない?
割とニートのかたに多いんです。難関の国家資格をめざしたり、プログラミング・スクールに通って高給取りの仕事をめざしたり・・・遅れたぶんを取り戻そうと「一発逆転」を狙う人が。
きちんと資格を取れて、好きな仕事として長く続けられるなら、それでいいと思います。勉強するモチベーションも続くだろうから。
ただ、資格取得のためにバイトもせずに勉強したら、また「履歴書の空白期間」が増えます。職を得たあとにプレッシャーを感じて、すぐに辞めてしまったら元も子もありません。
私は、ルート配送ドライバーのかたに聞いたことがあります。
なぜ、配送ドライバーになろうと思ったんですか?
とりあえず社員の肩書きが欲しかったから
難しいことを考えずに済むルーティン・ワークを選び、余力を残しておいてプライベートを楽しむ・・・そのドライバーさんは、私と同じ映画好き。スピーカーやプロジェクターにお金をかけ、自宅をホームシアター化して、休みの日は映画を楽しんでいるそうです。
元の仕事はホスト。毎日エネルギーをかけるような仕事は長く持たないと判断し、転職したそうです。その話を聞いて、私はハッとしました。心とカラダが疲弊してしまう仕事より、とりあえず続けられる仕事を選んだほうが、幸せなのでは?
ニートが社会に復帰すること自体、逆転劇です。高望みしすぎて適応に苦しむのが本当に幸せなのか、よく考えたほうがよいです。
まとめ
ルート配送ドライバーは、正社員だとしても平均年収が370万円ほど。賞与を含めても450万円ほどですから、お給料が特別いいわけではありません。
ただ、物流は人の入れ替わりが多く、車に乗っている時間も長いので、合わない人とコミュニケーションを取る時間も少なめです。精神的にストレスが少ない仕事を選び、余暇に自分の好きなことをやる・・・
「心とカラダのバランス」を保ち続けたほうが社会に適応しやすいです。
社会復帰を考えるなら、復帰した後にまたニートに逆戻りしない方策もセットで考えたほうがよいです
2024年問題で残業が減らされ、困った人はドライバーどんどん辞めています。物流業界は選り好みしている余裕がないほど、人材不足です。
就職するなら今がチャンスです。