就職の一般常識テストや面接で、漢字の読みや意味を問われることがあります。
知っておきたいのは、難しくてみんなが読めない漢字よりも、「読めそうだけど読めない」漢字です。
一般常識テストで問われることがある、読みにくい漢字をまとめました。おもに、大卒程度の【必修30問】です。
社会人なら知っておきたい漢字の読み【必修20問】
まずは、日常生活でもよく使う、社会人なら“常識”として知っておきたい漢字の読みです(⇦ 答えをすぐに知りたくないかたは、ゆっくりスクロールしてください)。
1.相殺
読み:そうさい
意味:「帳消しにすること」。おもに、経済や法律の用語として使います。
2.進捗
読み:しんちょく
意味:「物事の捗り(はかどり)具合」を指す言葉です。「あのプロジェクトの進捗具合はどう?」などという使い方をします。
3.凡例
読み:はんれい
意味:「書物の初めのほうにあって、編集方針や使い方をまとめたもの」です。同じ読みをする漢字に「判例」があります。こちらは、類似の事件や似たような法律上の問題点について、先例となるものを指します。
4.出納
読み:すいとう
意味:「支出と収納、つまり、お金の出し入れ」のことです。経理の基本用語。
5.斡旋
読み:あっせん
意味:「(交渉や商売などで)あいだに入って、双方がうまくゆくように取り持つ」こと。宅建で“ローンの斡旋”と言う場合は、買い主に対して売買契約を結ぶ前に、融資額・金利・返済方法などについてきちんと説明しておくこと、を意味します。
6.言質
読み:げんち
意味:「のちのち、証拠となるような約束の言葉」。“言質を取る”とは、あとで証拠となるような言葉を、相手から引き出すことです。
7.捺印
読み:なついん
意味:「自筆による署名にハンコを押すこと」。これに対して、押印(おういん)は、記名のないところにハンコを押すことを意味します。
8.約定
読み:やくじょう
意味:「株取引や為替の取引などの売買が成立すること」。株の取り引きをしている人は意外に多いので、会話の中で出てくることも。
9.拘泥
読み:こうでい
意味:「(他にも選択肢があるのに)1つのことにこだわること、必要以上に気にすること」。小説では、あたりまえのように出てくる言葉です。
10.揶揄
読み:やゆ
意味:「(冗談や皮肉を言って)相手をからかうこと」。“愚弄する”も、似たような意味です。
11.杜撰
読み:ずさん
意味:「いい加減なこと」。誤りが多い書物のことも指します。“彼の計画は杜撰だから、きっと失敗するかもね”などと使います。
12.逼迫
読み:ひっぱく
意味:「余裕がない、行き詰まること」。「医療体制が逼迫している」「日本の財政が逼迫している」など、ニュースでもよく耳にする言葉。
13.逝去
読み:せいきょ
意味:「亡くなること」。“死ぬ”の尊敬語で、身内以外のかたが亡くなったときに使います。天皇や皇后、皇太后、太皇太后(=天皇の祖母)などがお亡くなりになったときは、崩御(ほうぎょ)という言葉を用います。
14.軋轢
読み:あつれき
意味:「仲が悪くなること」。「部下とのあいだで軋轢が生じた」などと使います。
15.躊躇
読み:ちゅうちょ
意味:「決心が定まらず、ためらうこと。ぐずぐずすること」。よく使う言葉ではあるものの、実際に書くことはまずない難読漢字。
16.市井
読み:しせい
意味:「いちい」ではなく「しせい」と読みます。「人や家が集まっているところ、町」を意味します。“市井の人”(=庶民)という表現で、時代小説によく出てきます。
17.幕間
読み:まくあい
意味:「まくま」ではなく「まくあい」と読みます。「芝居の演技がひと通り終わって、次の幕が開くまでの間、芝居の休憩時間」を指します。
18.忖度
読み:そんたく
意味:「他人の気持ちを推し量って、相手に配慮すること」。2017年の流行語大賞となった言葉ですが、漢字を知らない人も多いのでは? “賄賂を贈ってでも悪いことを依頼する”というイメージが定着していますが、必ずしもネガティブな言葉ではありません。相手の気持ちを思いやる、という意味でも使います。
19.反故
読み:ほご
意味:知ってないと絶対読めない漢字。元々は、書画などで書き損じて不要になった紙の意味。転じて、「役に立たなくなったもの」を意味します。
“約束を反故にする”で、約束を破る、なかったことにする、を意味します。
20.真摯
読み:しんし
意味:「真面目でひたむきなこと、誠意があること」。たとえば、サービスの利用者からクレームを受けた企業が、「お客さまのご意見を真摯に受け止め、今後のサービス改善に努めてまいります」などと電話対応します。
業種によっては必須、ニュースでよく出てくる漢字の読み【10問】
日常会話ではそんなに使わないけど、新聞ではよく出てくる。または、職種によっては知ってないとツラい。そんな漢字10個です。
21.仄聞
読み:そくぶん
意味:「人づてや噂などで聞くこと。耳に入ってくること」。堅い文章が多い新聞でよく見かける言葉。
22.批准
読み:ひじゅん
意味:「(内容が確定している)条約について、国が行なう最終的な同意や確認のこと」。外国との交渉で合意した条約案を、本国の議会で承認することも意味します。
23.拿捕
読み:だほ
意味:「軍艦など政府の船が、船舶の運航を止めて、自国の支配下に置くこと」。領海侵犯してしまった船が、相手国に捕まってしまうことを指します。ニュースによく出てくる言葉。
24.定款
読み:ていかん
意味:「会社を運営してゆく上でのルールをまとめたもの」。“会社の憲法”とも呼ばれます。定款の作成は、公証役場と法務局のチェックをクリアするために必要で、会社設立時には必須です。
25.幇助
読み:ほうじょ
意味:「他人の犯罪行為を容易にするため、手助けすること」。似たような言葉に、教唆(きょうさ)があります。教唆は、人をそそのかして、犯罪の実行を決意させること。これに対して幇助は、正犯(=すでに犯罪を行なう決意を持った人)を援助すること。
26.敷設
読み:ふせつ
意味:「水道・ガス管・鉄道などを広い範囲に設置すること」。“しせつ”とは読みません。
27.返戻
読み:へんれい
意味:「(預かっていたもの・借りていたものを)返したり、戻すこと」。医療や保健機関でよく使う言葉。提出されたレセプト(=医療費のレシート)に不備があった場合、レセプトが医療機関に差し戻されることを、レセプト返戻と呼びます。
28.罷免
読み:ひめん
意味:「公務員の職を、強制的に辞めさせること」。一般企業であれば、解雇にあたる言葉です。また、人事で使う言葉に更迭(こうてつ)があります。更迭は、重要な役職に就いている人物を下ろして、新任者をその職につけることを意味します。
29.冤罪
読み:えんざい
意味:「無実なのに、犯罪者として扱われてしまうこと」。“濡れ衣を着せられる”と同じ意味。ニュースなどでよく耳にします。
30.借款
読み:しゃっかん
意味:「政府または公的機関における、長期機関の資金の融資のこと」。円借款といえば、民間の金融機関の融資よりも低い金利で、開発途上国に資金を貸しつけることを指します。